こんばんは!zumizumiです!
今日は10月4日公開のホアキン・フェニックス主演「JOKER」を観てきたので、レビューを書いていこうと思います。一部ネタばれも含まれていますので、予めご注意ください・・・
JOKERは社会の世相を表現している?
映画の題名でもある「JOKER」は、バットマンシリーズの中で登場する悪役の一人です。最近だとバットマンシリーズの「ダークナイト(2008年)」の中で、ヒース・レジャー演じるジョーカーが有名ですね。
ダークナイトでは、顔にピエロのメイクを施した正体不明の謎の男として登場し、巧みな話術と狡猾さでマフィアを裏から操りゴッサムシティを恐怖に陥れる様子が描かれていました。
そんな、ジョーカーにスポットを当てた、今回待望の作品「JOKER」は悲しい運命を辿る切なくも悲しい物語でした。
この映画を語る上で、劇団ひとりさんが公開直前イベントで言っていた「めちゃめちゃ面白かった。生々しくて途中『実話をもとにしているのでは? ジョーカーってどこかにいるんじゃないか?』ってのめり込んでしまいました。」というコメントは映画を見ていて確かになるほど!と感じさせます。
そうです、この映画は「リアルすぎる、実際にあったら自分もこうなるのかなあ・・・」と思わせるのです。
ちなみに、この映画にハッピーエンドはありません。
悲しき運命を辿る心優しい純粋な男の狂気への物語とでもいうのでしょうか、とにかく切ない・・・話です。
映画では「格差社会やどうにもならない貧困の現状」が主人公のアーサーに突き付けられます。アーサーがJOKERになるまで数多くの不幸と悲しい真実が明かされることになるのですが、その節々に感情移入できる部分が多く出てきます。
この映画を見ることで、一部JOKERのように暴動や行動を起こすのでは?と危惧して、アメリカでは一部劇場では公開中止という話もありますが、この映画で触発される可能性があるというのはそういう部分もあるのかな・・・と少し感じたりもしました(もちろんフィクションなので、現実にはありえませんが・・・)
映画では、「どうにもならない今の環境」「信じていたものが突然壊れてしまった」「努力しようとしたけれど、また壊された」と、次々と不幸に会います(ん~悲しすぎる・・・)
そんな境遇や不満が爆発して狂気のカリスマJOKERへと変貌するその様は、さながら映画を見ているあなたの中にもJOKERが潜んでいますよと言わんばかりです。(感情移入しやすい映画でもあると思いますね)
社会の世相を表現しているとも言えるJOKERは問題作でもあり、何か考えさせられる映画だと思いました。
JOKERの正体とは?
JOKERとはいったい何者か?
映画の序盤~中盤~終盤で様子が変わっていきます。
【序盤】
「母親と2人暮らしの貧しくも純粋なコメディアンを夢見る若者」
【中盤】
「現状を打開しようと奮闘するも、変わらない日常に嫌気がさす」
【終盤】
「出生の秘密を知り、友人の裏切りにもあい、何も信じられなくなった狂気のピエロの男」
映画にありがちかもしれませんが、最初はいいやつなんです!そして、その現状もわかっているけれど、もがいて夢に向かって努力するんです!そんな、男に次々と不幸が・・・そして最後には狂気に走っていく、というストーリーです。
狂気に走る男。それだけだと、普通の悪役ですが、JOKERの場合は誰にでも起こりうる状況から、次の行動へ起こした、いわば「革命の先導者、悪の象徴」という者なのだと個人的には感じました。
いつの時代にも「カリスマ」というものがいますが、JOKERの場合は皆の不安や不満を狂気のピエロとして表現した「悪のカリスマ」に仕立て上げられたのだと感じました。
JOKERは皆の心の象徴の一部かもしれません。
ダークナイトを見たくなった!
JOKERはダークナイトで登場するジョーカーではありますが、JOKERとはまた違うものだと思って見るとまた楽しめます。ジョーカーの内面の部分をJOKERと照らし合わせて見ると「あ~この感情あったから多分こういう行動起こすよな~」とか、思うともっと楽しめるかなと思います。
まとめ
JOKERはアカデミー賞の有力候補の一つと言われています。
この映画は主演のホアキン・フェニックスの演技も素晴らしく(特に笑う演技は秀逸です)音楽や映像も素晴らしいと思いますが、一番はあなたの中にもJOKERがいるのでは?と問わせるくらいのリアリティがあります。決してハッピーエンドではないので、気分が落ち込んでいる時には・・・ですが、社会問題や人間の弱い部分に切り込んでいる映画だと思いますので、ぜひ一度みてはいかがでしょうか?
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